『曽我平九郎』

あらすじ
曾我平九郎は、織田信長に見込まれ、御使番として仕えていた。忠義に厚く実直な男であったが、ある日、信長の侍女・若菜を巡る誤解が原因で信長の怒りを買い、勘当されてしまう。
自らの思いを胸に秘め、城を去る平九郎。しかし、信長の本心は別のところにあった。平九郎と若菜を結びつけようとしていた信長は、平九郎が若菜を避けたことで、彼を見損なったと激怒してしまったのだ。
勘当されたままの平九郎だったが、桶狭間の戦いが迫る中、親友の木下藤吉郎の計らいで戦場に立つ機会を得る。そして、密かに若菜と夫婦となり、共に戦場へ向かうことを決意する。
戦場で平九郎は圧倒的な今川軍に挑み、ついには今川義元の本陣に斬り込む。そして、若菜と共に壮絶な戦いを繰り広げ、信長の大勝利に貢献するのだった。
戦いの後、信長の前に現れた平九郎。信長は彼の忠義と若菜への想いを知り、すべてを許す。そして、夫婦で戦場を駆けた二人の姿に、信長は大いに笑い、彼らの絆を讃えた。
主君への忠誠と愛する人への想い、その狭間で揺れる一人の武士の生き様を描いた、感動の物語。